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【大学院入試】院試にも使える研究計画書の書き方

研究計画書は、大学のレポートや単なる作文とは全く異なる「作法」が必要です。どれだけ面白いテーマを思いついても、その作法(ロジック)がズレていると、評価者に「この学生は研究の仕方をわかっていない」と判断されてしまいます。

この記事では、文系学生が「良い研究計画書」を書き上げるための具体的なステップを解説します。

テーマ決めから文章作法、そして差がつく「準備状況」の書き方までをまとめました!

目次

研究計画書を書く前に知っておきたい本質

まずは、書き始める前に「研究計画書とは一体何なのか?」という本質を整理しておきましょう。ここを勘違いしていると、どれだけ時間をかけても的外れな内容になってしまいます。

「作文」と「研究計画書」の決定的な違い

最も多い失敗は、研究計画書を「自分のやりたいことを熱く語る作文」だと思ってしまうことです。

  • 作文: 自分の主観的な思い、感想、意気込みを伝えるもの
  • 研究計画書: 客観的な事実(先行研究)に基づき、論理的な「研究の設計図」を示すもの

研究計画書に求められるのは、あなたの熱意ではなく「論理の正しさ」です。

「私はこう思う」ではなく、「先行研究ではここまで判明しており、この部分は未解明である。だから私はこの手法で明らかにする」という、一貫した筋道(ストーリー)が求められます。

評価者はここを見ている!「2つの重要ポイント」

審査員である大学/大学院の先生たちは、主に以下の2点をチェックしています。

  1. 論理の一貫性(ロジック): 「問い」に対して「調査手法」が適切か? 矛盾はないか?
  2. 実現可能性(フィジビリティ): 修士課程の2年間(あるいは学部生の数ヶ月)で、その調査を完結できるのか?

壮大なテーマであることよりも,実現可能性のあるものが評価されます

最初の一歩!失敗しない「研究テーマ」の決め方4選

いざ「研究計画書を書こう!」と思っても、最初にして最大の壁が「テーマが決まらない」ということではないでしょうか。

テーマ決めには、大きく分けて4つのパターンがあります。自分の現在の状況(学年や志望先)に合わせて、最適なものを選んでみてください。

① 卒論の延長となるようなテーマにする

これは最もスムーズで、多くの学生が該当する方法です。すでに卒業論文の執筆を進めている場合、研究の進め方や課題が明確になっているため、計画書も書きやすくなります。

ただし、以下のケースでは注意が必要です。

  • 外部大学院を受験する場合: 「今の大学で研究できているのに、なぜわざわざうちに来る必要があるの?」という志望理由との整合性が問われます。
  • 夏に院試がある場合: 卒論の成果が出る前に計画書を書くことになるため、仮説の設定が難しくなることがあります。

② 学会・コンペに参加し、それを発展させる(おすすめ!)

筆者が最もおすすめするのが、この「学外の場に挑戦する」という方法です。

文系大学生の多くは、本格的な研究活動の経験が少ないものです。そこで、学会やビジネスコンペなどに挑戦し、その過程で指導教員から助言をもらうことで、テーマをブラッシュアップしていきます。

「今後の検討課題」として残った部分を研究計画書に反映させれば、自然と論理的な構成ができあがります。さらに、実績として面接時の強力なアピールポイントにもなるため、一石二鳥です。

③ 希望する指導教員の論文から逆算する

行きたい研究室や指導を受けたい教員が先に決まっている場合に有効な方法です。

その先生が過去に書いた論文を読み、「この論文で課題とされている部分を、自分なりに深掘りする」という形でテーマを設定します。必然的に先生の専門分野と近くなるため、志望理由との繋がりが非常に明確になります。

ただし、面接ではその分野の深い知識を問われるため,研究計画書の執筆と合わせて深い調査も必要になります。

④ 専攻分野の「最近の論文」を読み漁る

「やりたいことは具体的にないけれど、この分野には興味がある」という場合の基本スタイルです。

まずは手当たり次第に、その分野の最新の学会報告や論文を読んでみてください。

多くの論文に触れる中で、自分が惹かれるトピックが見つかるはずです。興味のある論文が見つかったら、「今後の課題」に注目しましょう。そこに、あなたの研究テーマのヒントが隠されています。

テーマ決めの際に必ずチェックすべき4項目

テーマの案が浮かんだら、以下の項目と照らし合わせて「ボツ」にならないかセルフチェックを行いましょう。

  1. 先行研究の調査不足ではないか: すでに誰かが全く同じ結論を出していないか。
  2. 実現可能性があるか: 修士課程の2年間で完結できるか。
  3. ミスマッチはないか: 志望する研究科や指導教員の専門から外れすぎていないか。
  4. 学術的・社会的な意義があるか: その研究が「誰の、何の役に立つのか」を説明できるか。

説得力を生む「基本的な構成」とロジックの繋ぎ方

研究計画書において、最も重要なのは「何を書くか」よりも「どのような順番で、どう繋がっているか」というロジック(論理)です。

定番の「型」に沿って書くことで、読み手である教授に「この学生は研究の筋道が立てられている」という安心感を与えることができます。

基本の7項目:漏らしてはいけない必須要素

研究計画書では、一般的に以下の7つの項目で構成されます。

どれか一つが欠けても、計画書としての完成度が下がってしまうので注意しましょう。

  1. 研究テーマ(タイトル)
  2. 研究の背景と目的
  3. 先行研究のレビュー
  4. 現在の準備状況
  5. 研究方法(調査対象や分析手法)※仮説も含む
  6. スケジュール(実施計画)
  7. 研究の意義(社会や学術にどう貢献するか)

数珠つなぎのような因果関係を意識する

院試であれば合格するような優れた研究計画書は、各章が「数珠つなぎ」のように因果関係で結ばれています。
例えば,以下のような流れをイメージすると分かりすいと思います。

  • 背景 → 目的:社会的にこんな問題があり、だからこの点を明らかにしたい
  • 目的 → 方法:その目的を達成するために、この調査手法が最適である
  • 方法 → スケジュール:その手法を実行するために、いつ何を行うか

このように「AだからB、BだからC」という一貫性が、説得力を生む最大のポイントです。

一文で言い切る「目的文」を先に作るテクニック

「構成はわかったけれど、中身がうまく書き出せない」という方におすすめなのが、
まず最初に「本研究の目的は、〇〇を対象に△△という手法を用いて、□□を明らかにすることである」という一文を作ってしまうことです。

この軸がブレなければ、背景や方法を書き進めても迷子にならないのでおすすめです!

まずは詳細を詰めすぎず、この「」と「」を固めることから始めてみましょう。最初は7割程度の完成度で十分です。書きながらテーマや内容を微調整していくのが良いです!

文体・書式の必須ルール

書き始める上でここが一番気になると思います。ここでは4つのルールを紹介します!

「だ・である」調で客観表現を意識する

研究計画書では、語尾は必ず「だ・である」で統一します。

また、個人の感想ではなく、客観的な事実に基づいた表現を選びましょう。

・NG:「〜だと思う」「〜したい」
・OK:「〜と考えられる」「〜を目的とする」「〜を試みる」

自分の意志を伝える場合も、「〜する予定である」や「〜を計画している」といった、一歩引いた客観的な視点での記述を心がけてください。

一文は短く、接続詞を正しく使う

一文が長すぎると、読み手は論理を見失ってしまいます。

Wordであれば「3行を超えたら文章を分ける」くらいの意識がちょうど良いです!

また、文章と文章を繋ぐ「接続詞」は、論理の展開を表すので正しく使いましょう。

・逆説:「しかし」「一方で」
・追加:「さらに」「加えて」
・帰結:「したがって」「ゆえに」

これらを適切に使うだけで、あなたの文章は格段に読みやすくなります。

「ブリッジ文章」により理解スピードを早める

大きな章や節の冒頭には、「この章では何について書くのか」を宣言する一文を入れましょう。
これを「ブリッジ(橋渡し)文章」と呼びます。

(例) 本章では、本研究に関連する先行研究を整理し、現在の到達点と課題について述べる。

この一工夫があるだけで、読み手である先生方は「今、何について説明されているのか」を即座に理解できるようになります。

文字数の目安と配分のコツ

研究計画書の文字数は、提出先によって2,000字から10,000字程度まで幅があります。

もし指定がない場合は、まずは4,000字程度を目指すと内容が安定します。

大切なのは「どこを厚く書くか」という分量の配分です。おすすめの比率は以下の通りです。

  • 背景・先行研究:40%
  • 研究目的・問い:10%
  • 研究手法:30%
  • 研究意義・計画:20%

手法」が薄いと実現可能性を疑われ、「先行研究」が薄いと勉強不足を疑われてしまいます・・・
この2か所をしっかりと書き込みましょう!

文体や書式を整えることは、読み手への「最低限のマナー」です。
内容以前の部分で損をしないよう、細部まで丁寧に仕上げましょう。

提出前の最終チェック

フォントとレイアウトの作法

学術文書では、以下の使い分けが一般的です。

  • 本文: 明朝体(MS 明朝、ヒラギノ明朝など)
  • 見出し: ゴシック体(MS ゴシック、ヒラギノ角ゴなど)

また、余白や行間が詰まりすぎていると読みづらいため、適切な余白(上下左右25〜30mm程度)を保ちましょう。

図表の入れ方ルール

図や表を挿入する場合は、必ず番号とタイトル(キャプション)を付けます。

また、本文中で必ず「図1に示す通り〜」のように、その図表に言及するようにしてください。

  • 表(Table): タイトルは「表の上」
  • 図(Figure): タイトルは「図の下」

引用文献リストの徹底

他人のアイデアやデータを使った場合は、必ず引用元を明記します。これが抜けると「盗作」とみなされ、不合格どころか大きな問題になるリスクがあります。

引用の形式(APAスタイル、MLAスタイルなど)は、志望する研究科や学会のルールに合わせ、最後まで一貫性を持たせることが重要です。

提出前のセルフチェックリスト

最後に、以下の7項目を読み返してみてください。

  1. 書式が統一されているか(フォント・「で・ある」調)
  2. 章と節を設置する場合、「その章で何を書くのか」について一文入れているか
  3. 1文が長すぎないか
  4. 接続詞のチェック: 接続詞を抜いても論理の流れがスムーズか?
  5. 問いと手法の一致: その調査方法で、本当に「問い」に答えが出せるか?
  6. 誤字脱字の確認: 特に人名、書名、専門用語に間違いはないか?
  7. 募集要項の遵守: 文字数、ファイル形式、提出方法を守っているか?

まとめ:テンプレートを使って書き始めよう!

この記事では、研究計画書のテーマ決めから構成、文章作法まで、合格に必要な要素を網羅して解説しました。

研究計画書を書く上で最も大切なことは、最初から完璧を目指さないことです。
まずは「7割の完成度」を目標に進めてみてください。

研究計画書は、一度書いて終わりではなく、何度も推敲を重ねましょう!

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